ゆっくり臨床開発の日記

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被災地支援物資「いらなかった物リスト」

ゆっくり臨床開発

 

能登半島被災地支援のブログです。被災地支援物資で、いらなかった物リストをまとめました。 また、震災時の厚生労働省の対応や医薬品の供給についてまとめました。 これから支援物資を送ろうとしている方は、参考にしていただけると幸いです。

https://youtu.be/D8boRCtNzSQ

 

さて、能登半島で大地震が発生しましたが、こんな時こそ、全日本国民が団結して被災者の支援に尽力したいです。一人一人ができる支援のベストをつくして欲しいものです。
支援物資の援助は、みんな積極的に実施していますが、中には逆に迷惑になるような物資もあるようです。そこで、今日は、そんな「被災地でいらなかったものリスト」について紹介したいと思います。

 

2018年の西日本豪雨の時に作られた「いらなかったものリスト」
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1 千羽鶴
2 寄せ書き
3 生鮮食品
4 お米など調理が必要なもの
5 賞味期限が近い。わからない食品
6 辛いラーメン
7 明らかな古着
8 季節外れの新品の服
9 周波数の違う家電
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このリストがつくられた時には、
・支援を受けているのに文句を言うな
・もらえることに感謝しろ
・傲慢すぎ
といった、被災者の方の気持ちへの配慮のない意見もあったようです。

まあ、善意で物資を送付した人の気持ちを考えれば、それはそれで納得できるので、
なかなか難しいものですね。

では、「いらなかったものリスト」が、何故いらないのか? 一つ一つ、分析してみたいと思います。

まずは、「千羽鶴」と「寄せ書き」です。
これは、送る側の都合だけで決定された物資であって、被災者の都合が全く考慮されていません。被災中にこれをもらっても、物理的に何にも役に立たないどころか、むしろ逆効果で、場所も取るし捨てるわけにも行かないしと散々な結果となります。
幼稚園、小学校、中学校などで、何か支援をしようと思ったら、できることは千羽鶴、寄せ書きくらいしかないのだと思いますが、善意の自己満足以外には何も効果がないので、今後、二度と、このような贈り物はやめるべきですね。世論もその方向に向かっているので、今回の支援物資の中には含まれないことを願うばかりです。

次は生鮮食品、賞味期限が短い食品、お米などの調理が必要な食材です。
実際に、生鮮食品や賞味期限が短い食品は、被災者の元に届くときには、すでに消費期限がすぎていたり、不明だったりと、廃棄となってしまうケースが多いです。
廃棄となると、その分、不要な作業が発生するため大迷惑となります。
また、お米のような調理しなければならない食材は、震災で調理をするような環境ではないため、これも大迷惑ですね。

次は、明らかな古着、季節ハズレの新品の服、周波数の違う家電です。
もう、説明不要ですね。

最後に、特殊な事例を紹介します。
それが、「辛いラーメン」です。
これは、東日本大震災の時に、
スーパーやコンビニで唯一売れ残っていた食料だった、との噂があります。

震災時ではない時には、コンビニやスーパーに所せましと陳列されていて、大人気なのですが、いざ震災が発生し、本当にお腹の減っている時は、辛くない食品が食べたいということなのでしょうね。もしくは、小学生までの子供は、辛いものが苦手のため、震災時には需要が少ないのかもしれません。

さて、こんな「いらなかったものリスト」について分析してみると、やはり一番無難な支援物資は、お金なのかもしれません。
ただ、寄付をする時には、募っている団体についてくれぐれも注意してほしいですね。
なぜなら、被災者のために寄付したお金が、団体の別の目的で使用されてしまう可能性があるからです。被災者のためだけに使用してほしいものですね。

最後に、医薬品についての支援について、紹介します。
東日本大震災の時の厚労省の対応ですが、このような臨機応変な対応がされました。

 

つまり、地震による被災により医師等の受診や医師等からの処方箋の交付が困難な患者さんに対しては、特別に処方箋がなくても処方箋医薬品を販売することができたのです。今回の能登半島地震も同様で、厚労省からも緊急の対応について発信がされました。

被災地の患者様は危機的な状況だと思うので、寄付や制度を活用しみんなで協力しあって欲しいですね。